私には4才の甥っ子がいます。
素直で良い子で、私たちきょうだいが子供だった時とはまったく違って本当に手のかからない子です。
甥っ子はゲームがやりたい!と言ったり、これが欲しい!!と子供ならではの欲求が全開で時にわがままです。(でも暴れたりするわけじゃないので本当に可愛い程度)
私は甥っ子に言われると、じゃあ1回だけね…と、ついなんでもかんでもやらせたくなってあげてしまいます。
本当はあんまり甘やかしちゃいけません。
でも私には忘れられない幼い頃の記憶があるんです。
子供の頃、家族で横浜中華街へ遊びに行きました。
私の両親は街へ遊びにいくのはあまり好きではなくて、神奈川県なら鎌倉や三浦半島や箱根の方へ行くことが多く、横浜にいくことはめったにありませんでした。
家族みんなで横浜に行ったのはもうこの時だけだったかもしれません。
私が小学校低学年か小学校に入る前かそのくらいの時の話です。
両親と兄一人姉二人そして末っ子の私というのが家族構成です。
姉のリクエストだったフカヒレを食べたりランドマークタワーに行ったり楽しかったのですが、私はトリックアートの美術館(ア―トリックミュージアム)へ行きたかったのです。
行きたい!行きたい!と駄々をこねたのですが、チケット代が高いという理由で却下されました。
たぶんもともとの行程には含まれていなかったための却下というのもあると思います。
そのあと遊園地(コスモワールド)で遊んだりもして、でも私は乗り物が嫌いなので見ているだけだったのですが……。
そういうこともあいまって、トリックアートミュージアムへの思いが余計に募りました。
たぶん、美術館に行きたかった、というより、私のお願い事は叶えてくれなかった…という悲しさが残ったんだと思います。
(中華を食べて遊園地でも遊んでいるのに美術館だけ高い!ってことは無いと思うし……)
その後何年かして、小学校高学年か中学年あたり…トリックアートミュージアムへの思いはもうなくなったのですが、とある地方への旅行中、父がトリックアートミュージアムへ行こうといって、無理やりつれていかれました。
その時はそこのトリックアートミュージアムになんて行く気はさらさらありませんでした。興味なんて微塵もなく。せっかく忘れていた記憶がよみがえってきました。
あの時私のお願い聴いてくれなかったのに、なんで今更?と。
しかも私が見たいのは横浜のミュージアムであり、こんなよくわからない地方の施設じゃない。
父の手前、気乗りしないものの、中のスタッフさんにまでつまらない仕草を見せてはならないと思い気をつかいながら楽しんだふりをしましたが……。
やりたい!行きたい!見たい!ってその時の感情なんですよね。
その時がなかったら体験できないし、楽しめないんです。
だから私は小さい子が「これをやりたい!」って言うとどうしてもやらせてあげたくなってしまう。
今後、やりたい!って気持ちがなくなってしまうかもしれない。
やりたかったのにできなかった(やらせてもらえなかった)気持ちがずっと残ってしまうかもしれない。
そして子供に大人の都合をあまり押し付けたくないんです。
私は「親」というものをあまり信じてはいません。
なのでそんな子になってほしくない、と親でもないのに思ってしまいます。
自分が親じゃないからそんなことを言ってるのかもしれませんね……。
親になったら自分の意識はもしかしたら変わるかもしれない。
親の気持ちがわかるかもしれない。
私は子供の頃の記憶がかなり残ってる方かもしれません。
どうしても子供へ「共感」してしまいます。
当時の悲しかった気持ちがいまだに解消されていないんですよね。